こんにちは。野村證券でリテール営業に8年従事していた管理人です。
在籍していた時に、会社が「変な事言ってるな」と感じるケースはいくつもありました。
その中でも「この考え方を受け入れて仕事を続けるのは難しい」と感じ、最終的には退職という選択肢に至ったきっかけになった違和感を紹介します。
会社を辞めようかどうか迷っている証券マン、金融マンの方々へ。
ここで紹介する違和感に近い感覚を抱いているのなら、辞めても後悔はないのかなと思います。
当然ですが、個人の力で会社の考えを変える事は不可能です。
終身雇用の時代ならまだしも、今の時代に違和感を抱きながら働き続けるのはストレスかと思います。
スパっと去るのも一手です。(去る時は次が決まってからをオススメします)
何でもかんでも違和感で片付けるのもよくないですが、
縦組織で上の言う事は絶対の時代で育ってきた私ですら違和感を感じた3選を紹介します。
第3位:お客様と肩を組んで相場に立ち向かう
んー、それはその通り。全営業マンはそうしたいと思っているし、それを心置きなく出来るなら営業マンは辞めないと思います。
じゃ会社からのノルマをやめてくれませんかね。
100歩譲って数字のノルマは分かります。
営業マン・会社自体の成長や株主への貢献にもつながりますからね。
でも商品のノルマはやめましょうよ。
なんで支店の分が掃けないからってやりたくもない商品を売らなきゃならないんですかね。
これやった時点でもう肩組んでないですよ。お客様に対してショルダータックルしちゃってます。
昔は商品のノルマは当たり前にありました。
でもその頃はお客様と肩を組んでなんて言葉はなかった。要は会社としてショルダータックルしている自覚があった。
それも会社の成長の為、どんな商品でも販売しきる野村の最強セールスとしての誇りがあったからこそ会社に言われた商品は必ず取り組んできた。
時代とともに会社の方針が変わり、お客様と肩を組んでという方針になったのは分かります。
それなら昔の悪しき風習である商品のノルマも廃止しないと意味がないでしょう。
第2位:対面とネットの違いをイタリア料理で例示
色々とズレた例示を、会社全体のアナウンスとして言い出した時は、「あ、この会社変だな」と思ったものです。
内容はこのようなものでした。
高給イタリアンレストランとサイゼリヤ、どちらも提供するのはイタリアン料理。でもきめ細やかなサービスや料理の質が全然違う。対面証券とネット証券の違いはそういう点。
本質捉えるの下手ですね。
その例えの料理って金融商品の事ですよね?例えばトヨタ自動車の株式って対面証券とネット証券で買って中身に差が出ます?
どこで買っても株価の上下は市場が決めますよね?
同じプレミアムモルツが飲める居酒屋なら、お通し代取らない居酒屋で飲むでしょう。
高い手数料をきめ細やかなサービスで例えたいのなら
スパゲッティを食べたいお客様の中にも、サイゼリヤのスパゲッティを食べたい人もいれば、高級レストランのスパゲッティを食べたい人もいる。
対面証券はそういった高級スパゲッティを食べたい人に対して営業活動をしましょう。
こう言った方が新人営業マンも誤解しないと思うのですが。
第1位:株の売買をやめろ、投資信託やラップ口座や保険をやれ
これは私が株式、特に米国株式を愛していたから特に違和感を感じました。
もう屋号から證券の文字外せばいいんじゃないですかと思いましたね。
2年目時代の直属の上司からよく言われた、
「君たちは証券会社にいるんだ。銀行マンも保険マンも扱いたくて仕方ないけど絶対に扱えない株式を売買する事が出来るんだ。時に恐ろしく時に素晴らしい、お客様の人生を良くも悪くも大きく変えてしまう株式を扱う事が出来るのは証券会社だけだ。その誇りを持て」
という今でも大好きな言葉があります。
現場にはそうした誇りを持った営業マンもいるのですが、会社が放棄してしまいました。
確かに無茶な株式の回転売買をする営業マンがいたのは事実ですし、それを諫める為には多少過激な手段を取らないといけなかったのであろう会社の言い分も分からなくはないです。
しかし、無茶な回転売買を止めるのなら
・モニタリングする
・金融商品の売買システムに一定期間内の売買確定前に、警告を出す仕様にする
・会社が「無茶な回転売買」の定義を決め、反した社員の人事評価に反映させる
等と色々対策法はあったのではないかと思ってしまいます。
コスト増を嫌って、単純な指示にしたのでしょう。
証券会社の誇りを自ら捨てた罰は軽くないのではないかと思います。
取り扱い商品が限られた生保なんて証券会社が販売してどうするんですか。
私なら保険マンから話を聞きますけど。
投資信託も中身は株式である事が多いですけど、ネット証券なら手数料無料で買えます。
ラップ口座も元は信託銀行の十八番ですし、今や地場証券ネット証券で手数料の安いラップ口座がいくらでも出てきています。
私が心配するまでもなく、優秀な野村證券の社員がここからの巻き返しを考えているのでしょうが。
私にとっては違和感しかなかったですね。
まとめ:上の命令には絶対服従世代でも流石におかしいと思った言葉3選でした
結局、直接的ではないですがここで紹介した違和感によって、辞める時に後悔はありませんでした。
この経験から、退職を検討している人の中には会社と自分の考えの相違にストレスを感じている人もいらっしゃるのかなと思い至りました。
ここで紹介したような事例と同じような気持ちになっている人は転職検討のタイミングなのかもしれませんね。
補足すると上記3選は、私が在籍していた中でも2016年~2018年に発されました。
2020年現在、野村證券がまだこの路線にいるのか撤回しているのかは分かりません。
(在籍者達に話を聞く限りでは継続しているようですが)
今現在の野村證券を否定する意図はなく、退職のきっかけとしてこうしたものがありましたという事例紹介を目的としています。
それでは次回の記事でお会いしましょう。