こんにちは。野村證券で8年リテール営業に従事していた管理人です。
私は8年勤めた野村證券を辞めて、監査法人に転職しました。
監査法人とは一般的には、公認会計士試験の短答式試験・論文式試験に合格した人が入所する法人です。

今の仕事を続けていていいのか疑問だけど、特にやりたい事もないなぁ。
という方は多いと思います。
ひとつの転職事例として私自身の転職を紹介いたします。
野村證券時代、「ノルマ」と「詰め」に潰されそうな私を、ある先輩と米国株式が救ってくれた

野村證券というと強烈なノルマと詰めの文化で有名です(でした)。
ご多分に漏れず、1年目2年目(2011年、2012年)の頃は私もノルマが達成できず、毎日上席者から詰め(叱咤激励)を頂いていました。
2020年の今では業界全体で変わりましたが、当時は手数料収入が最も尊い時代でした。
2012年11月からアベノミクス相場で株式が強烈に上昇しましたが、
それまでは日経平均株価は8,000円前後で推移しており、
若手の知識と相場観程度では、日本株で利益を出す事はとても難易度が高かったです。
そうした背景からごく少数のリスクに対して積極的なお客様と株式運用の話をし、
残り9割以上のお客様とは個人向け国債のような元本変動リスクが非常に限られている比較的安定した金融商品の提案をするという営業スタイルを取っていました。
結果、1ヵ月の手数料収入は50万円前後
1年目で月100万円、2年目で月150万円の手数料収入ノルマを達成出来るはずもありません。
それはそれはとことん詰め(叱咤激励)を頂いていました。
2年目の4月、1ヵ月の手数料収入が116万円で確定した時に強烈に詰め(叱咤激励)を頂いた事は今でも覚えています。
「あと1ヵ月違っていたらノルマ達成していたのに…」と心の中で泣いていました。笑
そんな折、私が入社2年目の2012年秋頃に、他の証券会社から中途採用で営業の方が転職してきました。
世代も近く、野村證券では非常に珍しかった柔らかい人格をお持ちの方ですぐに仲良くなりました。
当時の野村證券はゼロから成り上がる社風でしたので、新人の私は完全飛込営業、先輩も転職してきたのでほぼ飛込営業で新規に顧客を探す毎日でした。
そんな先輩は、新規顧客探しで忙しいはずなのに毎日毎日多額の手数料収入を稼いでいました。

先輩、一体どうやって毎日そんなに手数料を稼いでいるんですか?

ん?米国株式を売買してるよ。野村證券の人って全然米国株式扱ってないよね。
目から鱗でした。
確かに先輩に出会うまで、存在は知っていましたが、身近で米国株式を売買している先輩上司は2012年当時ゼロでした。
詳細はまたどこかで記載しますが、日々のノルマに苦しんでいた私が、米国株式を勉強し、お客様に提案して売買して頂く事で、あっという間にノルマを達成できるようになりました。
ちなみに私が初めてお客様に(まとまった金額で)買っていただいた銘柄は
「フリーポートマクモランカッパーアンドゴールド」という銘柄です。(NYSE:FCX)
2020年8月現在、世界的なコロナ禍で株価が上昇しており、懐かしく思い参考までに記載しました。
もっともっとお客様に儲かって頂きたい、米国株式の勝率を高めるために会計の勉強を始める

先輩との出会いを契機に、私の野村人生は一変しました。
それ以来ノルマで苦しんだ記憶は数える程しかありません。
そしていつしか、先輩よりも米国株式に詳しくなりたいと思うようになりました。
しかしその先輩は一言で言うと天才でした。
私は天才ではなく、凡人でした。
凡人が天才に勝てるとしたら、天才が持っていない持ち味を伸ばす事だと考え、
先輩があまり重要視していなかった各企業の決算書を読み漁る事を始めました。
決算書を読む、という事は簿記や会計の知識が必須になります。
その為、私は気付くと簿記・会計学の勉強もしていました。
簿記・会計学の勉強は辛いことも多々ありましたが、株価上昇を見込める米国株式銘柄を見つける可能性が少しでも高まるのならと勉強を継続する事が出来ました。
会計学を学ぶ上で実務経験を積みたいと考える

会計学の勉強を始めた理由は、「証券リテール営業での米国株式のパフォーマンス」を高めるためでした。
勉強が仕上がった段階である事に気が付きます。

会計数値から企業の財務状況を知るには座学だけではなく、実務経験が必要なのではないか?
当時学習していた会計学は、米国公認会計士(USCPA)という資格試験の勉強でした。
これは主に米国株式の財務分析ができるようにとの理由から選択しました。
そして運良く、野村證券は米国会計基準を採用していました。
したがって野村證券の経理部署で米国会計の実務経験を積みたく、部署異動を希望しました。
実務を積むにあたり、更に幅広く考える
とは言っても、部署異動はそんなに簡単に出来るものではありません。
特に、入社から一貫してリテール営業の経験しかなく、経理実務経験もなく、当時はまだ米国公認会計士の全4科目のうち一部しか合格していなかったので尚更です。
経理部署への異動は厳しいかな、と諦めかけていた時ふと重要な事に気付きます。

元々米国株式の財務分析から、株価予測の精度を高める為に始めた。
証券業界に居続けるより、様々な業種の会計実務に触れる事が出来る仕事に就いた方が良いのではないか?
これが、監査法人に転職を決意する一番の理由でした。
日本の4大監査法人が保有する各種コンサル会社への転職も一瞬惹かれましたが、
企業再建、デューデリジェンス、財務アドバイザリーがやりたいのではなく、
あくまでも米国株式の決算数値から財務状況を読み解き、予測する能力を高めたい。
その為に、リテール営業に全てを捧げた20代の時間を取り返すべく、会計学の根幹を為す会計監査の基礎を徹底的に学びたい。
気付くと以上のように志望理由までも出来上がっていました。
まとめ:地獄から救ってくれた米国株式を愛し、米国株式をもっと知りたいという理由が大元にあった。
野村證券時代の8年間で、証券マンとして自分を助けてくれた米国株式
今でも大好きで、米国株式で資産運用をするにあたり少しでもパフォーマンスを向上させる為に勉強し続けています。(監査法人所属なので自分で売買する事は出来ませんが、相場の動きは見ています)
こうして振り返ると、仕事で熱中できるものを見つけ、それを極めたいという想いが結果的に転職となりました。
転職検討者の参考になれば幸いです。
よろしければこちらの記事もご参照ください。
また、こちらは私が作成している米国公認会計士(USCPA)の勉強方法についてのサイトです。
当記事にて米国公認会計士(USCPA)に興味を持たれた方は是非一度ご覧ください。
