こんにちは。野村證券で一貫してリテール営業に従事していた管理人です。
私は2011年4月に新卒入社した野村證券を、2018年に退職しました。
入社5年目前後、もしくはもう少し早い段階で野村證券を辞めた方のブログは何度か見た事がありますが、
私のように20代の全てを野村證券で過ごしてから辞める人間の話はあまり見かけないので、記事にしてみました。
私自身、5年目くらいから転職を考えながら最終的に8年目で転職しました。
その経験から悩める方々への参考をお伝えしようと思います。
退職理由

8年勤めた会社を辞めるとなると、「家業を継ぐ」や「懲戒処分を受けた」という理由が一般的ですが私の場合はどちらでもないです。
前向きな理由と、後ろ向きな理由がありました。
前向きな退職理由
野村證券では絶対に経験出来ない仕事がしたいという事です。
具体的には、会計監査業務です。
名前は聞いた事があるという方も多いでしょう。
金融関連の方でしたら必ず見た事がある企業の決算書
企業が作成した決算書に対して、チェックをして世間様に向けて「問題なし」という仕事です。
後ろ向きな退職理由
証券リテール営業がゼロになる事はありえないと思っていますが、
必要人員数が限りなくゼロに近付くとは思います。
要は、「証券リテール営業って、本当に社会に必須ですか?」という自問自答が止まらなくなりました。
社会に必要だとは思いますが、辞めて数年が経った今でも、必須かどうかには疑問符が付きます。
転職を考えている方、前向きな理由と後ろ向きな理由、そろっていますか。

自分の経験と、自分の周囲の人間を見て思う事ですが、
転職に対して、前向きな理由と後ろ向きな理由、両方そろっていない場合、後悔するのではないかと思います。
はっきり言って、正社員の立場から見ると野村證券はとてもいい会社です。
前向きな理由だけで転職すると、何かにつけて野村證券を思い出し、比較し、後悔すると思います。
ただし第二新卒扱いの方には関係ないでしょう。そのぐらいの年次だと野村證券の真の素晴らしさ(主に金銭面での)を感じる事は難しいと思うからです。
後ろ向きな理由だけの場合、今転職を考えている方の大多数はこのパターンかと思います。
ノルマが嫌だ、金融商品が売れない、営業したくない、ネット証券に勝てない等々…
これら後ろ向きな理由のみで転職するのは危険です。
社会にとって必要な仕事は数あれど、必須な仕事は限られています。
必須な仕事は大体において
・若い頃にしか入り込む事が難しい(公務員、パイロット、インフラ関連企業等)
・特殊な技能が必要(医者、弁護士、会計士、ITエンジニア等)
というパターンが多いです。
つまり一般的な転職活動で得られる仕事から受けられる満足度・やりがいは今の職場と大差はないです。
となると、金銭的な待遇で検討する方も多いかと思います。
金融営業の方は転職で収入が上がることはまずない

転職活動をされている方ならもう周知の事実かと思いますが、
今の日本に於いて、特殊な技能を持たない方で金融営業以上に高収入を得られる仕事はまずないです。
ただ数少ないながらあるにはあります。
・外資系製薬会社
・フルコミッション営業職
上記2業種なら、現在の金融営業と同等もしくはそれ以上の収入を得られる可能性があります。
ただ、今の時点で
・ビジネス英語を使いこなせるか。製薬に関する知識はあるか。
・フルコミッション営業で高収入が得られる自信があるか。
これらに自信のない方は業種変更を伴う転職はおすすめしません。
となると結局大多数の方は、金融営業以上に収入が上がる事はないです。
管理人と周囲の転職者のパターン

参考の為に、管理人と管理人の知り合いの転職例を記載します。
まず管理人の転職は100%後悔がないです。
管理人の場合
- 5年目から転職を検討して、8年目に転職をした間の3年間
- 経理部に行きたいという人生で初めて本気になれる目標を見つけ、
- 野村證券が採用している米国会計基準のプロである証明を会社に示したく、
- 米国公認会計士(USCPA)の勉強をし、色々あって今後の自分のキャリアプランに会計監査の実務経験が必須だと判断し、
- 野村證券では絶対に実務経験が積めないので監査法人に転職した。
という流れになります。
いわゆる会計士なので、転職初年度の収入は下がりましたが数年後には戻ります。
管理人の知り合いの事例の箇条書き
・会社を興した
強烈な前向きの理由ですね。当人にしか分からない多大な苦労も多いとは思いますが、皆退職した事に対する後悔は微塵も感じません。
・IFA(独立系証券営業)
これも前向きですね。証券営業が好きで、証券営業に対して真剣な人がこの道を選んでいると思います。そしてIFAの大体は出来高制ですが、こういった方々は真摯に仕事に取り組むため、やりがいも収入も上がっている事が多いよう見受けます。勿論後悔している人は見た事がないです。
・他の金融系営業
前向きな人もいますが、正直前職を辞めて現職に就く意味が薄く、あまり幸せそうには見えません。他人に熱く語れる理由があっての転職なら後悔はなさそうですが、自分の身内がこれを言い出したらまず止めると思います。
・他業種営業
専門性の高い商品を扱う営業の方々はやりがいに溢れています。ただ収入は激減するパターンが多いようですね。収入に興味がなければ良い選択肢かと思います。私の知り合いの場合は、収入減を承知で行っているので後悔はなさそうです。
上記見て頂いてお気付きの通り、金融営業が転職できる職種は基本的には営業です。
まとめ:前向きな理由と後ろ向きな理由、あるなら転職、なければとどまりましょう。
このページを読んで下さっている転職検討者の大多数は、後ろ向きな理由をお持ちかと思います。
逆に前向きな理由を持っている方は少ないのではないでしょうか。
自分が人生かけて本当にやりたい事って何だろうか。
これって見つからないのが普通だと思います。
私は運良く見つかりましたが、それは28歳の時でそれまでは何となく生きてきた人生でした。
ただ、どれだけ仕事が嫌でも前向きな理由が見つからないのであれば、
もう少し今の会社で頑張ってみるのが一番ではないでしょうか。
私自身の会計士を目指した話は作成中ですが、よかったらそちらも参考にして下さい。
以下に私自身の会計士を目指した話を記載しました。よろしければご参照ください。