【新規開拓に悩む金融営業マン必見】私の新規飛込営業先第2位:事業法人

営業

こんにちは。野村證券でリテール営業に8年従事していた管理人です。

シリーズでお送りしている「私の新規飛込営業先」の2回目は、私が「特定の対象先が決まっていない場合」に行く営業先優先度第2位の事業法人です。

一般的にリテール営業=事業法人(中小企業)というイメージが強いと思います。

この記事ではメリット・デメリットを交えながら第1位でない理由を記載しています。

前回記事のリンクはこちら→【新規開拓に悩む金融営業マン必見】私の新規飛込営業先第1位:マンション法人

事業法人について

昭和平成の営業マンならまず第1位となる事業法人

野村證券の諸先輩方で名を馳せている、北尾氏や市村氏等も皆さん事業法人のトップを顧客にすることでトップセールスとなられています。

そして、金融営業マンなら必ず上司から事業法人の客を作れと詰められた経験がおありでしょう。

初めにお伝えしますが、私の優先順位は2位ですが、非常に重要であり、事業法人のトップを顧客に出来ないとそもそもリテール営業を続ける事は難しいです。

それでは私の考える特徴を、メリット・デメリット紹介形式でお伝えしていきます。

事業法人のメリット

メリット
・投資資金潤沢である事が多い
・リスクを取る事に慣れている
・一度気に入られるととことん面倒を見て下さる
・営業マン人生が変わる

それでは解説していきます。

投資資金潤沢である事が多い

社長さんと呼ばれる方≒人生の成功者という図式はイメージしやすいかと思います。

もちろん人生の成功者である社長にだけターゲットを絞って営業をするので当然と言えば当然です。

初めての社長との取引時には誰もがそのまとまったロット(投資金額)に驚くでしょう。

ちまちま件数を積み重ねていたのが何だったのだろうと驚くと思います。

リスクを取ることに慣れている

一般的な大学卒業→サラリーマン40年→定年退職、というコースとは真逆の人生を送っておられる方々です。

文字通り自分の命を賭けた勝負に勝ってきたからこそ今があるという社長もたくさんいらっしゃいます。

自分の命を賭けられるぐらいですから、金融資産の減損リスクは軽く取れる方が多いです。

実際減損した時に笑って許して下さるわけではないので注意してください。

一度気に入られるととことん面倒を見て下さる

いわゆる情に厚い方が多いです。

クールに見えるタイプでも腹を割って話せば大体情に厚い方であることが大半でした。

相場に対して勝負してもらいたいときも、顧客を紹介してほしいときも、営業キャンペーンに入賞できそうなので力を貸してください!とお願いする時も、助けて下さることが多いのは事業法人の社長です。

営業マン人生が変わる

万年ノルマ未達成だった営業マンが一気に社内表彰を受けるまでに成績が向上する。

野村證券ではよく聞く話です。

そうしたケースのお客様は9割以上が事業法人の社長です。

私自身の話ですと、1年目の1ヵ月の手数料収入ノルマは100万円であり、12ヶ月で1度も達成できませんでした。

しかし2年目で顧客になってくださった事業法人の社長と継続的に取引をして信頼を積み重ね、

3年目では1日の取引で1日に100万円以上の手数料収入を頂けるようになりました。

たった2年で変わるものですね。そしてこういったケースでは事業法人の社長が助けて下さる事が多いです。

事業法人のデメリット

ここまでなら事業法人は最高の営業先です。金融機関の上司が推奨する理由にも頷けます。

しかし以下のデメリットを考慮すると私の中では第2位となりました。

デメリット
・コンプライアンス重視の現代、大半の事業法人は飛込営業非対応
 対応していても更に大半はコロナ禍で訪問自粛ムード
・一定以上の規模(売上100億円)のほとんどはサラリーマン社長であり、ほぼ監査法人
 等の第三者機関が介入している
・オーナー社長に行かなければ無意味、でも忙しいのでほぼ会えない、会えないので土日祝に自宅へ営業するも、ウケるか拒否されるか
・令和では事業法人営業は紹介で

順に解説します。

コンプライアンス重視の現代、大半の事業法人は飛込営業非対応、対応していても更に大半はコロナ禍で訪問自粛ムード

もう書くまでもないかもしれませんが、年々法人への飛込営業は非常識であると世に広まりつつあります。

地方のワンマン経営者ならまだ許される事も多いでしょうが、内部統制の意識が日本全国に浸透してきている現代、ワンマン経営者も少なくなっていくでしょう。

冒頭述べた市村氏の時代でさえ、規模の大きな事業法人だと飛込営業お断りでした。

真偽の程は判別しかねますが、氏は、正面突破ではなく非常階段から社長室に行き社長に会ったと自著で述べています。

言うまでもないですが、犯罪です。

私が1年目、2年目の頃は「市村さんぐらいの根性見せろ」と上司によく言われたものです。

営業という職種自体が誤解されかねないのではっきり言いますが、犯罪行為はしてはいけません。

ならず者のチンピラのような営業は平成で終わりました。

令和の時代、コンプライアンスも守れない営業マンは使い物になりません。

飛込営業禁止の先にアポなし訪問をしてはいけませんし、コロナ対策で訪問営業はやめてほしいと言われたら行ってはいけません。

まず、このようにそもそも行けないという高いハードルがあります。

一定以上の規模(売上100億円)のほとんどはサラリーマン社長であり、ほぼ監査法人等の第三者機関が介入している

これが個人的第2位の一番の理由です。

上司はとにかく、「大規模な事業法人に営業に行け」と言います。自分の成功体験からのブラッシュアップが追い付いていないんでしょうね。

もし身近な事業法人に営業に行くと決めた場合、取締役会の組織図を見ましょう。大きな会社ならホームページに記載がある事が多く、組織図がなくとも会社沿革や代表者遍歴で確かめられることが多いです。

確かめた結果、「一族経営である」「創業者=今のトップである」「今のトップの姓と創業者の姓が一致しているか」などを見つけたら対象先として選定しましょう。

そうでない場合の大半はサラリーマン社長です。

例えば現代の上場企業の9割以上はサラリーマン社長です。こうした点からも大規模であればあるほどサラリーマン社長である可能性が高くなります。

サラリーマン社長の場合、単独強権はありません。必ず取締役会の決議を経て法人としての意思決定をします。そうでないと監査法人のような第三者がガンガン突っ込みます。

「法人としての意思決定が遅い」「決定権者が複数存在する」

この2つが揃った時点で、私は営業に行きません。

そうした事を教えない老年上司が新人営業マンに指示を出し褒めたたえ、

「金融商品検討してくれています!」と嬉しそうに報告してきたのに、結局取締役会の決議が通らず半年後に「やっぱダメでした」という報告をする営業マンを何人も見てきました。

こういった事情を教えてあげないのは何故なんでしょうかね。未だに分からないです。

ちなみに監査法人に入って会計監査に従事した経験から言わせて頂くと、法定監査(負債200億円または資本金5億円を超える法人の義務)だけでなく日本の会社は任意監査を受けている事が非常に多いです。

ざっくりした話、売上100億円を超えるレベルの会社はまず間違いなく監査法人が関与しています。

監査法人が入っている状態で新たに金融商品の買付があれば…それはそれはもう突っ込みまくりますよ。私は経験者としてあまり突っ込んであげたくなかったのですが、監査として確かめるべき決められた項目があるのでその点について聞かないわけにはいきません。

強烈に強い意志を持って金融商品を買付した法人なら、監査法人の尋問にも耐えられるでしょうが普通ならそもそも金融商品を買わないでしょうね。

なので、社長が営業マンを気に入りました、運よく取締役達も営業マンを気に入ってくれましたという2段階のハードルを越えてもさらに第三者が待ち構えています。

監査「法人」というぐらいですから、個人的に営業マンを気に入るとか気に入らないとか関係ないです。

監査経験を経て、より強く思ったのですが「第三者が関与している事業法人への営業はコストに見合わない」ということです。

オーナー社長に行かなければ無意味、でも忙しいのでほぼ会えない、会えないので土日祝に自宅へ営業するも、ウケるか拒否されるか

先で述べた通り、サラリーマン社長に営業しても意味がないので行くとしたらオーナー社長になります。

で、実際には平日日中にはまず会えません。どこかでも書きましたが基本的に資産を持っている人は比例して忙しいことが多いからです。

よく営業マン達が「世の中会えない人はいない」と言っています。この言葉自体は本当です。

なので並の営業マンである私等は早朝深夜土日祝日GWお盆年末年始に社長の自宅前で張り込みをします。

会えるは会えます。が、先方にとって見知らぬ営業マンがプライベートタイムに現れるわけです。

歓迎されるはずがありません。逆の立場ならむしろ迷惑です。

この状況から自分のペースに持ち込める天才セールスマンなら効果的ですが、

大多数の営業マンは私のように凡人であるはずです。

昔ならまだしも、コンプライアンスの時代に非常識な営業はしない方がいいです。

令和では事業法人営業は紹介で

令和でなくとも効果効率的な営業は紹介でした。

これからの営業マンは紹介で法人営業をしましょう。

「最初から飛込で行けないのにどうやって紹介されるんだ!」

とお思いの方、そのためにマンション法人や個人商店に営業に行きましょう。

このデメリット項目で記載した理由が、私が事業法人を1位としていない理由です。

まとめ:効率面では最優先ではないが、必ず営業対象とするべし

成果になり辛い対象先No.1ですが、ノルマに追われる生活に終止符を打ってくれる可能性が最も高い対象先でもあります。

営業マンは結果が重要です。昔なら特に結果が全てでした。

顧客化出来ずに夢を追い続け、詰めに耐えられず辞めていく営業マンを何人も見てきました。

他の対象先に営業して日々の数字を作りながら、事業法人の営業をしましょう。

個人的な最優先営業対象先についての記事を貼っておきます。ご参照ください。

それでは次回の記事でお会いしましょう。

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